| 漆製品 | 拭き漆に挑戦 | 漆塗り加工製品 | うるし屋さん物語 |

うるし屋さん物語

■うるしの発祥の地 大坂
うるし屋の祖先は、大坂の 嶋本仁左衛門 休昧とされています。
彼は、大坂に出て尼崎屋弥兵衛と名乗り漆を扱いました。漆は商品として、慶長九年(AD1604)に徳川幕府より糸割符株(当時の中国との生糸その他の貿易利権)を頂いたそうで、この頃、大坂には漆商人は三軒ありました。一人は、漆屋仁左衛門 実の弟 漆屋次郎左衛門 と 漆屋弥三右ヱ門 です。
大阪市内JR難波駅から徒歩15分 24号線を南に下ったところに『鉄眼寺』と書かれた朱色の門が美しいお寺があります。その鉄眼寺内に元祖うるし屋『漆祖 嶋本休昧之墓』があります。
大阪の伝統を体感しに、一度、詣でてみてはいかがでしょうか?

■うるし屋さんは全国でどれぐらい?
残念なことに現在では、56社(全国漆業連合会の会員数)になってしまいました。全盛期の10分の1でしょうか。 漆が塗料として一般の生活品に使用されなくなった時代の流れでしょうか?
地域的には、大阪や京都を中心とした近畿圏や愛知県、信仰心の高い福井県を中心とした北陸圏と東京です。

■うるし屋さんとしてのルーツ?
当社は、私の祖父が生まれ故郷の福井県を飛び出して大阪の漆問屋に入社したのが始まりです。 いまは、
船場でも聞きませんが、昔で言う『でっち奉公』ですね。奉公は、大変厳しかったそうです。
こんなエピソードがあります。漆を混ぜ棒で混ぜていた時のことです。ちょっとした不注意から漆をこぼしてしまったそうです。途端に親方に怒られ手で漆をすくって桶に戻させられたそうです。(通常漆は、ヘラですくうようにして移します。)この苦しい厳しい時期をへて、『ノレンわけ』をしてもらい現在の有限会社会社ヤマカの前進『山嘉商店』を開店したそうです。お得意先様は、九州に多く(現在も同様)当時夜行寝台で行商に出ており、私も小さいころ大阪駅までよく見送りに行ったものです。

■うるし屋さんの策略結婚?
私の母親は、漆の産地として有名な岩手県二戸市で日本産漆の採取卸業の娘(次女)でした。当時、父親は、大阪でうるし屋の跡取り息子! 『君の親父さんは、日本産漆を優先的に購入する為にお母さんと結婚したや!』とよくお酒の席で笑い話として先人達から聞かされました。
私が聞いた話によると岩手のおばあちゃんは、『大阪は遠いなぁ~』と話していたみたいです。当時、岩手から大阪まで3日間かかったそうです。 さて真実は?・・・

■国内で漆の採取地域は?
漆の木は全国に分布しておりますが、主に東北地方が日本産漆の産地です。
漆を採取する職人さんを漆掻き子(うるしかきこ)と呼びます。漆の木に傷をつけて、にじみ出てきた樹液を丁寧にヘラでタカッポ(採取した漆をいれる木桶)に入れていきます。1本の漆の木からは少量の漆しか採取できないため(漆の木を枯れさせないように)気の遠くなるような作業の毎日です。漆の採取期間は、9月末~11月中頃までです。漆は、『朝取り(夕方にキズをつけて、朝一番に採取する方法)』がもっとも良質とされています。
当社にお越しくだされば、キズのついた漆の木とタカッポ(採取した漆を入れる桶)を展示してあります。

■漆にはどのような効果があるのでしょう?
漆は、うるし科の漆の木から採取します。鎌のような刃物で木に傷をつけてにじみでた樹液が漆の原液です。この原液を精製したものが生漆(きうるし)と呼び、各漆種類の基本となります。
実は、この生漆自体に殺菌効果があると言われています! 昔、少量の生漆をオブラートに包んで胃薬として服用していたエピソードが語り継がれています。残念なことに、生漆が硬化乾燥してしまいますと殺菌効果はなくなるそうです。漆は歳月がたつに連れて風合いがよくなることは、皆さんが体験もしくはご存知のことかと思います。ただ科学的に証明はされていませんが、神秘的な面白いお話はたくさんあります。
1.精製前の生漆の入った空樽を植木鉢にすると、その樽が置いてある下だけコケが生えない。
2.漆塗りのお重箱に入ったおせち料理は、腐りにくい。
3.漆フローリングをリビングに使用して生活していたら、足の水虫がよくなった。
4.船底に漆を塗っておくと、船底に貝殻がつかない。
5.老木の修正には、漆が最適である。
6.漆かぶれをなくすために職人さんは、生漆をなめていた。
真実かどうかは別としても、漆にまつわる数多くの逸話が各地にのこっています。それだけ昔から私達の生
活の一環に組み込まれていたのでしょう。

■漆はかぶれるの?
先ずは、覚えてください! できればウンチクとして周りの方にお話ください!
うるしは、硬化乾燥すると・・・かぶれないことを!!!
幼い頃、裏山で遊んで手足が腫れ上がった経験はないでしょうか?漆木の樹液はかぶれますよね^^; ただ、4日~1週間程度ですっかり腫れは消えてなくなりますから、問題は無いのですが・・・当事者は、大変ですね!私も幼い頃、両親が目を放したすきに『日本産漆(生漆)』を体に塗りたくって遊んでいたそうです。
(子供には、漆を蓋紙でとめているため指でつつくとプヨプヨして面白いのです^^)
両親も祖父母もびっくり仰天です! 次の日には、体中がかぶれて2倍程度に腫れ上がると思ったそうです。でも、『蛙の子は蛙』でしょうか? 次の日、腫れひとつなく無事だったそうです。これは私自身のエピソードですが、『漆のかぶれ』は怖くないのです。

■漆は呼吸する!
漆は、呼吸するのです!密閉した容器に入れると漆は、悪くなり品質が落ちてしまうのです。
漆をこぼれないように蓋をする物は、ラップやプラスチックのような空気を通さないようなものではなく通気性のある紙なのです。ですから、今でも昔のように蓋紙(空気のみを通す紙)をつかって蓋をするのです。容器もおなじように、昔ながらの丸口の桶です。

■漆の乾きは不思議!
塗料は、大気中の乾燥度合いによって硬化乾燥します。
しかし、漆は違います!不思議にも湿度が必要なのです。大気が乾燥していますと乾かないのです。湿気を採り入れて漆自身で乾燥していくのです。このことが漆が生きていると言われる由縁でしょうか?
うるしが乾く最も適した環境は、温度20℃・湿度65%です。

■漆塗り職人さんって?
漆刷毛を駆使し平面から曲面にいたるまで薄く塗り仕上げる技術技能士のことをいいます。
その方々の中で特に、国家試験に合格した方を『伝統工芸士』です。
実直なまでに昔ながらの技法と作品の仕上がりにこだわり、昔気質の頑固でそれでいて、なんと言えない暖かさを持った職人さん。日本を文化を育んでこられた職人さんを、ヤマカは応援します!

■『子どもには継がせられない!』
全盛期に○○○人いた職人さんは、現在○○人に減少しました。もちろん時代の流れもあり後継者が生まれない背景もあります。私の知っている職人さんは、『この漆塗り技術で子どもを育てた!でも今の時代子どもにはこの技術を継がせることはできない。塗り職人では、生活ができない。』と・・・寂しく噛み締めながら語ってくれました。日本古来の伝統技術は、日本の心は、受け継がれていかないのでしょうか?
なんとも寂しいことです。
ヤマカは、なんとか伝統的な技術を活かして日常生活に取り入れる事はできないかと試行錯誤を繰り返しています。たどり着いたのが『昔ながらの摺り漆技法を用いた うるし腰壁とうるしフローリング』です。

■『未来ある子どもたちのために』
天然の無垢材だからといってシックハウス等に適しているとは限らない場合があるのです。無垢材の表面に漆を摺り込む事により、素材自体の良さを殺さず無垢材から受ける悪影響だけを遮断できるのです。
もちろん、漆も木の樹液ですので素材自体の伸縮にも適合し日本の風土環境に最も適合しているのです。
また、表面硬度度も高く天然材ですので小さなお子様にも最適です。

■『今を生きるあなたのために』
昔ながらの摺り漆塗装は、素材の良さを活かすため心安らぐ空間を演出いたします。また、お手入れが簡単!濡れた布で拭くだけでOK!
いち早く帰宅したくなるようなお住まいになること間違いなし! 現代のストレス社会に必要な生活必需品になるのではないでしょうか!

■ヤマカからのご提案!
私達は、住宅建材として『うるしフローリングとうるし腰壁』をご提案いたします。
昔ながらの伝統技法用いた、環境に優しく、私達の暮らしを癒してくれ、かつお手入れも楽な商品です。
素材の良さを十二分に活かした高級感あるれる商品ですので、玄関の廊下や居間、表面硬度が高く、水に強いことから玄関からの廊下やキッチン&脱衣場などが最適です。

| 漆製品 | 拭き漆に挑戦 | 漆塗り加工製品 | うるし屋さん物語 |